LCP・LCKで新機能「コーチボイス」を試験導入へ─試合中のリアルタイムな戦術指示が可能に

Riot Gamesは12月3日、League of Legends Championship Pacific(LCP)において、新たな競技運営機能となる「コーチボイス」を導入することを発表しました。
これにより、コーチスタッフは試合進行中にプレイヤーへ直接コミュニケーションを取ることが可能となります。現時点では、この機能はSplit 1のレギュラーシーズンにおいてのみ、試験的に運用される予定です。
なぜ導入されるのか?
ライアットゲームズの公式発表によると、従来のLoL Esportsのルールでは、ドラフトフェーズ終了後、コーチはプレイヤーとのコミュニケーションを一切遮断されていました。
チームは各ゲーム終了後にリプレイを用いてフィードバックを行うことは可能ですが、結果が確定した後でしか行えないため、リアルタイムでの戦略的調整には限界があるというのが現状の課題とされています。
今回導入される「コーチボイス」は、コーチがプレイヤーとリアルタイムで意思疎通を図れるよう設計されています。これにより、ゲーム中の戦況に即応した戦略的判断を下すことが可能となり、試合展開の質が向上することが期待されています。
運営チームは、より適切なタイミングで戦術的判断が行われることで、観戦するファンにとっても新たな楽しみが生まれる可能性があるとしています。
具体的な運用ルール
「コーチボイス」の使用には、競技の公平性と進行を妨げないための厳格なルールが設けられています。
- 使用回数と時間: 1ゲームにつき最大3回、1回あたり45秒間継続して使用可能。試合はポーズされず、流れを維持したまま実施されます。
- 対象者と視界制限: 試合開始前に選出されたコーチ1名のみが担当します。当該コーチはプレイヤーと同じ「チーム視点」のみ閲覧が許され、相手チームの情報や観戦モード全体の視点は確認できません。
- 行動制限: 選出されたコーチは、ドラフト終了時点から指定されたエリア内に留まる義務を負います。
なお、この機能の使用は「必須」ではありません。チームは試合開始前に使用の有無を選択することができ、戦略に応じて活用しないという判断も認められています。
導入範囲と今後の展望
Q&Aによると、今回の「コーチボイス」導入はLCPおよびLCKにおける短期間の試験導入に留まります。現時点では世界大会(Worldsなど)やその他の地域リーグでの採用予定はありません。
LCP運営チームは、Split 1のレギュラーシーズンにおける試験運用期間を通じ、チームの使用傾向、プレイヤーからの意見、ファンの反応、そして運営上の安定性を細かく評価するとしています。 今後、この新機能をより広く本格導入するかどうかは、これらの検証結果をもとに決定される予定です。
LCPの競技シーンにおいて、コーチのリアルタイムな介入が戦術にどのような変化をもたらすのか、今後の動向に大きな注目が集まります。



